AIに「役割」を与えるだけで、返ってくる答えがグッと変わる3つの理由
「AIに質問したけど、なんか普通すぎる答えしか返ってこないな…」
そう感じたことはありませんか?
実はそれ、AIの実力不足ではなく、聞き方に原因があるかもしれません。
たったひと言、「あなたは〇〇です」と役割を伝えるだけで、返ってくる答えのレベルが変わることが多いんです。
今回は、なぜAIに役割を与えることがそれほど効果的なのか、3つの理由で解説します。
読み終わったら、きっと次の質問から試したくなりますよ:)
概要
AIは何にでもなれる「天才役者」のような存在です。
でも、監督であるあなたが「あなたは医者役だよ」「あなたは熱血コーチ役だよ」と役割(ロール)を与えないと、AIはずっと「ただのAI」のまま、無難な答えばかりになりがちです。
前回の記事では、5大AIにはそれぞれ異なる「憲法(設計思想)」があり、同じ質問でも回答が変わるという話をしました。
今回はさらに一歩踏み込んで、ユーザー側から「役割」という指示を与えることで、AIの回答をコントロールする方法を紹介します。
詳細
理由1. 「平均点」の壁を突破できるから
普通に質問すると、AIは**「無難で普通の答え」**を返しがちです。
AIは大量のテキストで学習したうえに、安全で無難な方向に回答するよう調整されているので、特に指定がないと「最も一般的で、誰からも文句が出ないような答え」に寄りがちなんですよね。
たとえば、こんな違いが出ます。
役割なし:
「文化祭の出し物、何がいい?」
→ 「お化け屋敷や模擬店が人気です」(…まあ、そうだよね)
役割あり:
「あなたは**『伝説のイベントプロデューサー』**です。予算がなくても来場者が熱狂する斬新な出し物を考えてください」
→ 「教室全体を使った『リアル脱出ゲーム×プロジェクションマッピング』はどうでしょう?スマホをコントローラーにすれば機材コストも抑えられます」
同じ「文化祭の出し物」という質問なのに、返ってくる内容がまるで別物ですよね。
役割を与えることで、AIの「守りの姿勢」が外れて、その分野の専門家のような視点に近い提案を引き出しやすくなります。
理由2. 自分にはない「視点」を手に入れられるから
自分ひとりで考えていると、どうしても発想が偏りがちです。
「もっと違う角度から見たいけど、そもそも自分にない視点は思いつけない…」
そんなことありませんか?
ここで役立つのが、AIに**「自分とは違う立場の人」**になりきってもらうテクニック。
いわば、いろんなメガネ(視点)をかけ替えるような使い方です。
メガネを変えると、同じアイデアでも「実現できそう?」「儲かる?」「倫理的にOK?」と、チェックする観点がガラッと変わります。
たとえば、あるアイデアを検証したいとき:
プロンプト:
あなたは**「悪魔の代弁者(意地悪な批判者)」**です。
この企画が失敗するとしたら、何が原因になりますか? 容赦なくツッコミを入れてください。
こうすると、AIは「いいですね!」とは言わずに、厳しい目線で弱点を指摘してくれます。
自分では気づけなかった穴が見つかるので、企画の精度がグッと上がるんですよね。
さらに面白い使い方もあります。
AIに複数の専門家になりきってもらって、一度にたくさんの視点からアイデアをもらう方法です。
プロンプト:
多数の専門家(クリエイティブな専門家、技術専門家、ビジネス専門家、学術研究者、社会科学者)として、〈あなたのお題〉について具体的な案を考えてください。
たとえば「社員の離職率を下げる方法」と聞いてみましょう。
(お題や会社の状況によって回答は変わりますが、イメージとしてはこんな感じです)
- クリエイティブな専門家 — オフィス空間を「居心地のいいカフェ」のようにリデザインし、社員が自然と集まる共有スペースを作る
- 技術専門家 — パルスサーベイ(短い定期アンケート)ツールを導入し、不満の兆候をリアルタイムで検知して早期フォローにつなげる
- ビジネス専門家 — 「退職面談」だけでなく「残留面談(ステイインタビュー)」を定期実施し、辞める前に本音を拾う仕組みを作る
- 学術研究者 — 組織心理学の研究に基づき、「自律性・有能感・関係性」の3つが満たされているかをチェックリストで可視化する
- 社会科学者 — 業界全体の離職トレンドや世代別の価値観の変化を分析し、自社だけでは見えない構造的な要因を特定する
ひとつの質問で、これだけ違う角度からアイデアが出てきます。
自分ひとりで何時間も唸るより、ずっと効率的ですよ:)
理由3. 「誰に話しているか」で言葉遣いが変わるから
AIは相手に合わせて話し方を変えるのが得意です。
役割を与えることで、自分にとって一番わかりやすい説明をしてくれるようになります。
たとえば、「相対性理論」という同じテーマでも:
「優しい幼稚園の先生」として:
→ 「時計の針が進む速さは、場所によって変わる不思議な魔法なんだよ」
「Googleのトップエンジニア」として:
→ 「時空の曲率はエネルギー・運動量テンソルに比例し…」
まったく同じ質問なのに、説明のレベルが全然違いますよね。
難しい概念を勉強したいときは「初心者にもわかるように教えて」と役割で指定するだけで、ぐっとハードルが下がります。
逆に、専門的な回答が欲しいときは「あなたはその分野のプロです」と伝えれば、遠慮なく専門用語を使って深い回答をしてくれます。
「どのレベルで話してほしいか」を役割でコントロールできるのが、このテクニックの強みです。
まとめ
AIに役割を与えるべき理由は3つ。
- 「平均点」の壁を突破できる — 無難な回答から、専門家視点に近い提案へ
- 自分にはない「視点」を手に入れられる — 複数の立場から考えることで発想の偏りを解消
- 「誰に話しているか」で言葉遣いが変わる — 自分のレベルに合った説明を引き出せる
AIは何にでもなれる**「天才役者」**です。
でも、監督であるあなたが配役を決めないと、ずっとモジモジしたままになっちゃいます。
さらに効果を高めたいなら、「役割+条件+検証」の3点セットを意識してみてください。
- 役割: 「あなたは〇〇です」
- 条件: 目的・制約・対象読者・出力形式を添える(例:「高校生にもわかるように、箇条書き3つで」)
- 検証: 別の役割(批判者など)で弱点をチェックする
もちろん、モデルやタスクの内容によって効果に差は出ます。
でもまずは、次にAIに質問するときにこのひと言を加えてみてください。
「あなたは〇〇です」
それだけで、AIとの付き合い方がグッと変わりやすくなりますよ(´ ˘ `)