事実と意見を見分ける「目」を鍛えよう — AIと一緒にできる3つの練習法
コラム 2026年02月17日
#AI #クリティカル・シンキング

事実と意見を見分ける「目」を鍛えよう — AIと一緒にできる3つの練習法

前回のコラムで、「ファクト(事実)」と「オピニオン(意見)」を分ける大切さについてお話ししました。
話がふわっとしてしまって、説得力に欠ける。
そういう場合は、事実と意見が混ざってしまっている可能性大です。

「わかった、分ければいいのね」と頭では理解できても、いざ自分の文章を見ると、どこが事実でどこが意見なのか意外とわからない…。
そんなことありませんか?

そこで今回は、事実と意見を見分ける「目」を鍛えるトレーニングを3つ紹介します。
AIと一緒にやるもの、頭の中だけでやるもの、自分に問いかけるもの。
どれかひとつでもピンときたら、今日から試してみてください:)
読み終わるころには、文章や会話の中で「あ、ここ事実が足りないな」と自分で気づけるようになっているはずです

概要

AI時代に求められるのが「クリティカル・シンキング(批判的思考)」。
「事実と意見を分けること」は、そのクリティカル・シンキングの最初の一歩であり、最強の武器でです。
ここに「根拠の質を確かめる」「別の見方を検討する」を足していくと、判断の精度はさらに上がっていきます。
前回はAIに仕分けてもらう方法を紹介しましたが、今回のテーマは
自分自身の「見分ける力」を育てること

何度か練習するうちに、AIに頼らなくても「あ、これ意見だな」と気づけるようになりますよ。

詳細

練習1. 【AIと練習】「私の話、意見ばっかり?」チェック

自分が書いた文章やSNSに投稿しようとしている内容をAIに見せて、「事実」と「意見」に色分けしてもらう練習です。

やり方はシンプル。こんなプロンプトを使ってみてください。

プロンプト:
私はこれから文章を書きます。
この文章を読んで、**「客観的な事実(データや記録で確認できること)」「主観的な意見(私の感想や推測)」に分類してください。
もし「意見」ばかりだったら、それを支えるための「事実」が足りないということなので、
「どんな事実を追加すれば説得力が増すか」**もアドバイスしてください。

私の文章:
「今日の数学のテストは最悪だった。先生の問題の出し方が意地悪だと思う。あんなの誰も解けないよ」

AIに指摘されると、「あ、自分は『意地悪』とか『誰も解けない』って決めつけてたけど、実際にクラスの平均点が何点だったか確認してないな」と気づけます。

この練習のミソは繰り返し
繰り返し行うと、文章を書いている最中に「あれ、これ根拠あったっけ?」と自分でツッコミを入れるクセがついてきます。
仕事のメールや報告書を書く前にサッとやるだけでも、ぐっと文章が締まります。

練習2. 【脳内で練習】「ニュース探偵」ゲーム

こちらはAIがなくてもできる練習。
ニュースやSNSの投稿を見たときに、ゲーム感覚で「事実」だけを抜き出してみましょう。

ルールはひとつ。
**「カメラで撮れるもの、または記録やデータで検証できるもの(=事実)」**だけを頭の中に残して、それ以外(感情や評価)を消す。

たとえば、こんな感じ。

SNSの投稿: 「あの店のハンバーガーは世界一美味しくて感動した!」

  • ❌ 意見:美味しい、感動した、世界一
  • ⭕ 事実:その人がその店でハンバーガーを食べた

ニュースの見出し: 「画期的な新サービスが発表されました」

  • ❌ 意見:画期的な
  • ⭕ 事実:新サービスが発表された

「画期的」かどうかは受け取る人によって違います。
ニュースの作り手がその言葉を選んだ時点で、そこにはもう意見が混ざっている。
こういう「色づけ」に気づけるようになると、情報の受け取り方がガラッと変わります。

通勤中にスマホでニュースを眺めるついでにやってみると、いい脳トレになりますよ:)

練習3. 【自分に問いかける練習】「5回のなぜ」で掘り下げる

「なんとなく嫌だ」「やる気が出ない」
こういうモヤモヤした感情って、言葉にしにくいですよね。
実はこのモヤモヤ、事実と自分の解釈がごちゃ混ぜになっていると強くなりがちなんです。

そんなときは、自分の気持ちに「なぜ?」を5回ぶつけてみてください。

  • 意見: 「部活に行きたくない」
  • なぜ?→ 「先輩が怖いから」
  • なぜ?→ 「いつも怒られる気がするから」
  • なぜ?(ここで事実を探す)→ 「先週、挨拶の声が小さいと2回注意されたから」
  • 見つかった事実: 「先輩全体が怖い」のではなく、「挨拶について2回注意された」という具体的な出来事があっただけ

モヤモヤが「具体的な事実」に変わると、対策も具体的になります。
「先輩が怖い」だと何もできないけど、「挨拶の声を大きくする」なら明日からできる。

これはトヨタ生産方式で体系化・普及した「5つのなぜ(5 Whys)」という手法で、ビジネスの現場でも広く使われています。
自分でやるのが難しければ、AIに「私の悩みに『なぜ?』を5回繰り返して、根本原因を一緒に探ってください」とお願いするのもアリです。

まとめ

今回紹介したトレーニングは3つ。

  1. AIと練習 — 自分の文章を事実と意見に色分けしてもらう
  2. 脳内で練習 — ニュースやSNSから「カメラで撮れるもの」だけを抜き出す
  3. 自分に問いかける練習 — モヤモヤに「なぜ?」を5回ぶつけて事実を掘り出す

何かを言いたくなったら、心の中でこう問いかけてみてください。

「それは、カメラに映る?(=事実)」
「それとも、私の心の中だけ?(=意見)」

この区別がつくようになるだけで、話の説得力はグッと変わります。
まずはどれかひとつ、今日から一緒にやってみましょう(´ ˘ `)

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