「いつもの作業」をSkillにする——過去セッションを棚卸しして、自分でも気づかない無駄を見つける
CodexやClaude Codeを使っていて、こんな指示を何度も打っていませんか。
「この形でまとめて」
「いつもの観点でレビューして」
「前と同じ手順でやって」
毎回ちょっとずつ書き直しているその指示、もしかするとSkillにできます。
Skillというと難しく聞こえますが、ざっくり言うと「いつものお願いを、AIに覚えさせておくための手順書」です。
毎回ゼロから説明しなくても、次から同じ流れで動いてもらいやすくなります。
そして面白いのが、自分で「何をSkillにできるかな?」と考え込まなくてもいいところです。
過去の自分のセッションをAIに見てもらうと、AIの方から「これ、毎回やってますね」「ここは手順化できますね」と見つけてくれます。
この記事では、その「過去セッションの棚卸し → Skill化」のやり方を、なるべくシンプルにまとめます:)
なぜ「過去セッションの棚卸し」が効くのか

人は、自分の作業の繰り返しに意外と気づけません。
毎回違う仕事をしているつもりでも、よく見ると、同じような流れでAIにお願いしていることがあります。
たとえば、記事のレビュー、議事録の整理、コード確認、調査メモのまとめなどです。
自分では「今回はちょっと違う」と思っていても、AIに過去ログを見せると、
「この流れ、前もやっています」
「ここはテンプレート化できそうです」
「これはSkillにした方がラクです」
みたいに、繰り返しを見つけてくれます。
要するに、棚卸しは「自分の仕事のムダをAIに見つけてもらう作業」です。
Codexの場合、セッションの記録は手元の ~/.codex/sessions/ にJSONL形式で保存されています。
ただし、Codexが普段の会話で勝手に過去セッションを読み返すわけではありません。
棚卸ししたいときは、/resume で過去のセッションを呼び出したり、ログを渡したりして、「これを見て」とこちらから伝える必要があります。
思いつきではなく、実際の作業ログをもとに見る。
これが、使えるSkillを作るコツです。
棚卸しの頼み方——繰り返しを3つに振り分ける

頼み方も、そんなに難しく考えなくて大丈夫です。
まずはAIに、こう聞けばOKです。
最近の私の作業ログを見て、何度も繰り返している作業を探してください。
その中で、Skillにできそうなもの、サブエージェントに任せた方がよさそうなもの、自動化できそうなものに分けてください。
まずは候補の一覧だけ出してください。まだ作成はしなくて大丈夫です。
ポイントは、いきなり作らせないことです。
最初から「Skillを作って」と頼むと、いらないものまで作ってしまうことがあります。
まずは候補だけ出してもらって、見てから選ぶ方が安全です。
採用する基準は、このくらいで十分です。
- 2回以上くり返している
- 手順にできそう
- 時間短縮やミス防止につながる
- すでにあるSkillと重複していない
この4つを満たすものだけ残せば、Skillが増えすぎて管理しづらくなるのを防げます。
Skill / サブエージェント / 自動化の使い分け

ここも、最初から全部を完璧に使い分けようとしなくて大丈夫です。
迷ったら、まずはSkillでOKです。
ざっくり言うと、こんな感じです。
| 受け皿 | 何に向くか | イメージ |
|---|---|---|
| Skill | 毎回同じ手順で頼む作業 | いつものお願いを手順書にする |
| サブエージェント | 調査・レビュー・ログ確認などを分担したい作業 | 別担当に見てもらって要約だけ返してもらう |
| 自動化 | 毎日・毎週、勝手に走らせたい作業 | 定期チェックや通知を自動で回す |
最初におすすめなのはSkillです。
「毎回この順番で見て」
「いつもの形式でまとめて」
「このチェック観点でレビューして」
こういう作業はSkillに向いています。
サブエージェントや自動化は、そのあとで大丈夫です。
まずは「よく使う指示をSkillにする」だけでも、かなりラクになります。
「使い方そのもの」を1枚のレポートにする

棚卸しをもう一歩進めると、自分のAIの使い方そのものをレポートにしてもらえます。
これ、意外と効きます。
自分では「なんとなく使っている」と思っていても、AIにまとめてもらうと、
- よく頼んでいる作業
- 何度もつまずいているところ
- まだ使っていない便利機能
- 設定に足した方がいいルール
- 次にSkill化するとよさそうなもの
が見えてきます。
感覚ではなく、実際のログで見ると、自分のクセがかなりはっきりします。
「あ、ここ毎回説明してるな」
「この作業、毎回同じ失敗してるな」
「この流れは手順にした方がいいな」
こういう気づきが出てくるのが、棚卸しの一番おいしいところです。
コツは「一回で終わらせない」こと

この棚卸しは、一回やって終わりだともったいないです。
仕事の内容は少しずつ変わります。
AIへの頼み方も変わります。
だから、Skillにした方がいい作業も少しずつ変わっていきます。
月に1回でもいいので、
「最近のセッションを見て、Skillにできそうなものを探して」
と聞く習慣を作ると、かなり効きます。
普段から作業ログを残しておくと、棚卸しの精度も上がります。
定期的に振り返るたびに、新しいSkill候補や、自分でも気づいていなかったムダが見つかります。
AIを「なんとなく使う」から、「自分の仕事に合わせて育てる」に変えていくイメージです。
今日の1アクション

まずは、直近で一番よくやった作業を1つ思い浮かべてください。
そして、そのセッションを開いて、AIにこう聞いてみてください。
この作業のうち、Skillにできる繰り返し部分はある?
まずはこれだけでOKです。
候補が出てきたら、いきなり全部作らなくても大丈夫です。
「これは毎回使いそう」と思うものを1つだけ選んで、Skill化してみてください。
1つでもSkillにできたら、その作業はもう「毎回手打ち」から卒業です。
出典
- Agent Skills | OpenAI Developers(Codex)
- Subagents | OpenAI Developers(Codex)
- Slash commands in Codex CLI | OpenAI Developers
- Codex CLI features | OpenAI Developers
- Codex Meta-Prompt: Turn Repeated Sessions Into Skills, Subagents and Automations(Mervin Praison)
著者
neco. 🐈⬛
AI活用コンサル/ITエンジニア歴20年。会社員として400人規模のAIリスキリング研修を統括しつつ、副業で経営者・個人事業主向けにAI導入〜実装をサポート中(経営3年目)。
毎月AIの仕事活用をテーマに勉強会も開催しています。
「AIを"知ってる"から"使える"へ」がモットー。
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