Google「Lyria 3 Pro」でAI音楽生成が本格化 — 3分のフル楽曲、無料でも試せる
「会社の社歌を作ってみたい」——そんな相談を受けたことがあります。
みんなの思いや文化が載った歌があると、チームの一体感が出て楽しいんですよね。
でも作曲を外注するのはコストも時間もかかる。
そんなハードルを一気に下げるかもしれないAI音楽生成ツールが、Googleから登場しました。
ニュース
Google DeepMindが3月25日、AI音楽生成モデル「Lyria 3 Pro」を開発者向けパブリックプレビューとして公開しました。
最大約3分のフルレングス楽曲を生成でき、イントロ・ヴァース・コーラス・ブリッジといった楽曲構造を理解した作曲が可能。
テンポや歌詞の指定、画像からの雰囲気指定にも対応しています。
生成されたすべてのトラックには、AI生成であることを示す電子透かし「SynthID」が自動付与されます。
これはつまり、「プロンプトで曲のイメージを伝えるだけで、構造のある楽曲が出てくる」時代が来た、ということです。
3行まとめ
- Google DeepMindがAI音楽生成モデル「Lyria 3 Pro」を公開。最大3分のフル楽曲を構造的に生成
- 無料のGeminiアプリ(Lyria 3無印)でも18歳以上なら利用可能。日本語の歌詞指定にも対応
- 社歌づくりやレクリエーションなど、ビジネスでの活用可能性も広がりそう
ポイント
「どこで使えるの?」「無料で試せるの?」「日本語の歌も作れるの?」が分かればOKです。
音楽制作の経験がなくても、テキストで指示するだけで楽曲が作れる時代の入口として読んでみてください。
用語の整理
- Lyria 3 / Lyria 3 Pro: GoogleのAI音楽生成モデル。Lyria 3(無印)は短いクリップ向け、Proは最大3分のフル楽曲向け
- SynthID: Googleが開発した電子透かし技術。AI生成コンテンツであることを目に見えない形で埋め込む
詳細
1. なぜ重要か — "断片"から"1曲まるごと"への進化
これまでのAI音楽生成は、30秒〜1分程度の「断片」を作るのが主流でした。
BGMの一部やジングルとしては使えても、「1曲通して聴ける楽曲」にはなかなかならなかった。
Lyria 3 Proが3分のフル楽曲を構造的に生成できるのは、この壁を越える大きな一歩。
「90年代R&Bスタイルのバラード」とプロンプトで指定すれば、イントロから最後のフェードアウトまで一貫した楽曲が出てくるイメージです。
楽曲構造(イントロ→ヴァース→コーラス→ブリッジ)を理解しているので、ただのループではなく「曲としての起承転結」がある。
2. 無料で使える? — Lyria 3無印ならGeminiアプリから
Lyria 3(無印)はGeminiアプリから18歳以上の一般ユーザーなら追加料金なしで利用可能。
デスクトップ版(ブラウザ)から先行提供が始まり、モバイルアプリにも順次展開中です。
有料のGoogle AI Plus/Pro/Ultraでは利用上限が大きくなりますが、ベース機能は無料で使えます。
一方、Lyria 3 Proは上位版の位置づけで、Vertex AIやGoogle AI Studioなど開発者向けプラットフォーム、またはGeminiの有料サブスクリプション経由での提供が中心。
まずは無料のLyria 3で試してみて、本格的に使いたくなったらProに移行する、という流れが自然かなと思います。
3. 日本語の歌詞も作れる
検証記事によると、「インターネットへの愛を歌う日本語ボーカル曲」を指示して、30秒の歌入り楽曲を生成するテストが成功しています。
長文の歌詞をまるごと埋め込むのは制約がある可能性がありますが、フレーズやキーワード単位での指定なら問題なく日本語に対応。
ジングルやショート動画向けの「日本語ボーカルBGM」用途には十分使えるレベルです。
4. ビジネスでの活用 — 社歌からレクリエーションまで
AI活用コンサルの現場では、「企業の社歌を作ってみたい」という相談を受けたことがあります。
みんなの思いや会社の文化が歌になっていると、それだけでチームの一体感が生まれる。
こういった「プロに頼むほどではないけど、あったら嬉しい」音楽ニーズにAI生成はぴったりです。
レクリエーションの場で「うちの会社の歌、AIで作ってみた」と流すだけでもかなり盛り上がる。
研修のアイスブレイクに使うのもありかもしれません:)
ただし、商用利用に関してはライセンスの確認が必要。
GoogleはSynthIDによるAI生成の透かしを入れることで著作権管理の仕組みを整えていますが、生成楽曲を公開・販売する場合の条件はまだ整理が進んでいる段階です。
5. 影響 — 誰にどう効くか
クリエイター・動画制作者
BGMの外注コストが大幅に下がる可能性。
YouTube動画やポッドキャストのBGMを自分で生成できるようになれば、制作フローがかなり変わります。
企業の広報・マーケティング
イベント用BGM、社内動画の音楽、キャンペーン用ジングルなど、「ちょっとした音楽が欲しい」場面でAI生成が選択肢に。
社歌やブランドソングの叩き台をAIで作り、プロに仕上げてもらうハイブリッド運用も面白い。
音楽産業
AI音楽生成の品質向上は、音楽制作の「民主化」を加速させる一方で、著作権や楽曲の価値に関する議論も避けられない。
Googleがパートナーの許諾データで学習している点は好材料ですが、業界全体のルール作りはまだこれからです。
今日の1アクション
Geminiアプリを開いて、「明るいポップな曲を30秒で作って」と頼んでみてください。
Lyria 3が使えるようになっていれば、テキスト1行で音楽が生まれる体験ができると思います。
まだ展開前でも、「こんなBGMがあったら便利だな」というシーンを想像しておくと、使えるようになったときにすぐ活用できるはずです:)
出典
- Google launches Lyria 3 Pro music generation model | TechCrunch
- Lyria 3 Pro: Create longer tracks in more Google products | Google Blog
- Lyria 3 | Google DeepMind
著者
neco. 🐈⬛
AI活用コンサル/ITエンジニア歴20年。会社員として400人規模のAIリスキリング研修を統括しつつ、副業で経営者・個人事業主向けにAI導入〜実装をサポート中(経営3年目)。
毎月AIの仕事活用をテーマに勉強会も開催しています。
「AIを"知ってる"から"使える"へ」がモットー。
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