Google DeepMindが数学推論の研究成果をGitHubに集約 — AlphaGeometryなど「超人的推論」プロジェクトの全体像
Google DeepMindの「Superhuman Reasoning(超人的推論)」チームが、数学推論に関する複数のプロジェクトを集約したGitHubリポジトリ「superhuman」を運営しています。2025年10月に開設されたこのリポジトリでは、2024年1月のNature論文発表以降に発表された研究成果へ一か所からアクセスできます。
概要
Google DeepMindのThang Luong氏が率いるSuperhuman Reasoningチームが、AlphaGeometry・AlphaGeometry2・IMO Bench・Aletheiaといった数学推論プロジェクトを集約するGitHubリポジトリ「superhuman」を2025年10月に立ち上げました。これまで個別に追いかける必要があった研究成果を、ひとつのリポジトリから辿れるようになっています。
詳細
1. AlphaGeometryの背景と実績
AlphaGeometryは、AIが幾何学の証明問題を自力で解くことを目指したプロジェクトです。ニューラルネットワーク(パターン認識が得意なAI)とシンボリック推論エンジン(論理的なルールに基づいて推論するシステム)を組み合わせることで、国際数学オリンピック(世界中の高校生が競う数学の国際大会)の幾何学30問中25問を正解。平均的なIMO金メダリストに近い水準を達成しました。
この成果は2024年1月にNature誌に掲載されています。さらに同年7月には、後続のAlphaGeometry2とAlphaProofが2024年のIMOで銀メダル相当の成績を収めたことがDeepMindから発表され、AI数学推論の進化が一気に加速しました。
2. リポジトリ「superhuman」の位置づけ
superhumanリポジトリ(コミット履歴によると2025年10月に初期コミット)は、チームの研究成果を一か所に集約するハブです。
既存の個別リポジトリ(google-deepmind/alphageometry等)に加え、AlphaGeometry2、数学推論ベンチマーク「IMO Bench」、数学研究エージェント「Aletheia」(解答の生成・検証・改訂を反復するシステム)といったプロジェクトへの入口が揃っています。バラバラだった研究成果を一本のREADMEから辿れるようにした、いわば「カタログ」のような存在です。
3. AIの数学的推論の現在地
ここまでの流れを整理すると、次のようになります。
- 2024年1月: AlphaGeometryがNatureに掲載
- 2024年7月: AlphaGeometry2 + AlphaProofがIMOで銀メダル相当を達成
- 2025年10月: superhumanリポジトリを開設し、プロジェクトを集約
- 2026年2月現在: プロジェクト群として参照可能に
数学の証明は曖昧さが許されない厳密な知的作業であり、AIにとっては難関中の難関でした。そこで着実に成果が積み上がっていることは、将来の科学研究や工学設計にも影響を与えそうです。興味のある方は、superhumanリポジトリのREADMEから各プロジェクトを覗いてみてください。